「光源氏」はエイゴで?
先日、日本人の私が第二言語(第三?)の中国語でがんばって書いた文を、
中国人のJさんが、さらにそれを彼の第2言語の日本語に訳しなおす、という、
「逆輸入したものをまた逆輸入する的な」
試みの話をこのブログで書きましたが、
実際に、そういうジャンルの翻訳もあるんですね。
それも、「源氏物語」で。
1920年代、アーサー ウェイリーさんというイギリス人の超天才が、
「当時、古典日本語の辞書を含む資料等が入手困難な時代に、
日本語と古典中国語を独学で習得」(ウィキペディアより)して、
源氏物語を英訳して、出版したそうで、すごい人がいるものです。
また、その英訳をさらに毬矢さん、森山さんという方たちが、日本語に訳した本が、
最近、出版されています。
ただ、ウェイリーの訳した世界観をくずさぬように、
日本に訳しもどさないようにされたそうで、
カタカナワールド満載!
光源氏が、シャイニング・プリンス ゲンジ!!
ウェイリーが使った単語をそのままカタカナにして、それに漢字のルビをふるという表記も多々あり、
桐壺の更衣は、ワードローブのレディ。
( ”ワードローブ”のカタカナの上に漢字で”更衣”のルビ)
ウェイリーが、当時の日本の文化やモノなどを、英国人がイメージできるように、
少し彼らの文化に寄せて変化させて書いていて、
シャイニング プリンスが、
馬車にのって(牛車でなく)、
パレス(palace)のパーティーに行き、
ワインを飲んで、シターン(マンドリンに似た楽器)を弾いて...
プリンス~、めっちゃ楽しそうやん!
(一瞬、Jさんの日記のプリンスが浮かびつつ)
ちょうど、源氏物語は、イギリスではビクトリア朝時代と同じらしく、
この本の帯にも、
「このヴィクトリアン・GENJIを読むまで、私は源氏物語を理解していなかった!
このまま漫画にしてみたい!(竹宮惠子)」との言葉も。
ヴィクトリアン・GENJI って!
私、実は大学は国文科。
シャイニング プリンスがなくなったあとのお話の「宇治十帖」の方が、私は好きだったんだけど、
この別ワールド版の源氏は、ちょっと読んでみたい...
ちなみに、このブログを書くにあたって、
このアーサー ウェイリーさんをいろいろググってみたのだが、
けっこう変人(ホメ言葉)で、彼のストーリー自体も釘づけ。
中国語での古典文学も訳されていて、
特に目をひいたのが、
「西遊記」の翻訳版タイトルが、
「Monkey」だった...